離婚したくない場合の奥の手とは?離婚回避への対処法【弁護士監修】

「突然、離婚したいと言われた」「話し合いを求めても拒否され、別居や無視が続いている」――それでも離婚したくないと強く思っている方は少なくありません。離婚を切り出されたからといって、すぐに夫婦関係が終わるわけではなく、初動の対応や関わり方次第で離婚回避の可能性は十分に残されています。

離婚したくない場合に最も重要なのは、感情的にすがったり説得を繰り返したりしないことです。話し合いが進まない、別居中で連絡を無視されている状況では、誤った対応が決定打となり、相手の離婚意思を固めてしまうケースも多く見られます。

「離婚したくない」という気持ちを軸に、話し合いを拒否されている場合の正しい距離の取り方、別居中にやるべき行動と避けるべき行動、関係修復の可能性を残すための現実的な対処法を整理して解説します。

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離婚したくないなら今すぐやるべきこと

無理に説得をしない

離婚を切り出されたとき、最初の対応が今後の夫婦関係を大きく左右します。「離婚したくない」と望むからこそ、いきなり感情をぶつけず、落ち着いた態度で相手の言い分を引き出すことが大切です。

慌てて離婚条件を話し合うよりも、「関係修復を望んでいる」という気持ちを先に示すことで、相手の心が完全に離れきってしまうことを防ぎましょう。 具体的なポイントとしては以下を意識してください。

  • 相手の話に途中で口を挟まず、一度最後まで聞く
  • なぜ離婚を考えるに至ったのか、経緯を丁寧に質問する
  • 「自分の希望」ばかり語らず、まずは相手の不満を理解する姿勢を見せる
  • 離婚条件をすぐに詰めようとせず、「離婚回避に向けての話し合いをしたい」というスタンスを伝える

初動で感情的に争ってしまうと、夫・妻は「やはりこの人とはやっていけない」と感じやすくなります。離婚回避を望むなら、「まずは興奮せずに話を聞く」ことを最優先にしてください。

離婚したくない気持ちを貫いて関係修復できた夫婦の共通点

浮気が原因で離婚危機

一度は深刻な離婚危機に陥りながらも、「どうしても離婚したくない」という気持ちを行動で示し、最終的に関係修復を選んだ夫婦は決して少なくありません。そうした夫婦に共通しているのは、離婚回避を焦って説得や要求を繰り返すのではなく、相手の心が戻る余地を残す関わり方を続けていた点です。

離婚したくない人が実際に取っていた行動

  • 完全に連絡を断つことはせず、必要最低限でもつながりを保ち続けた
  • 「なぜ自分はそこまで離婚したくないのか」「なぜ結婚したのか」を改めて考え、修復への覚悟を固めた
  • 離婚後の条件や損得の話を急がず、相手が長年抱えてきた不満や苦しさをまず受け止めた
  • 別居中であっても、相手の感情が落ち着くタイミングを見極め、話し合いを再開する可能性を手放さなかった

離婚したくない気持ちを軸に行動を続けた夫婦では、「もう理解してもらえない」と感じていた相手の心が、時間とともに少しずつ緩み、再び向き合うきっかけが生まれています。重要なのは、傷ついた気持ちを無理に消そうとするのではなく、理解しようとする姿勢を途切れさせないことです。

どうしても離婚したくない場合の奥の手

夫婦関係が悪化した直後

「何が何でも離婚したくない」「どうしても今の段階では離婚に応じられない」という強い思いがある方に向け、最終段階の対処法があります。

離婚したくない場合の奥の手

①離婚協議をしない
②手紙を書いて渡す
③話し合いで離婚についての結論を先延ばしにする
④離婚届不受理申請書を提出する
⑤夫・妻の親に仲裁を頼む

以下の方法は、ケースによっては相手の心情をさらに刺激するリスクも伴いますが、状況に応じて取り入れることで関係修復の糸口を探ることができるかもしれません。

①離婚協議をしない

夫から離婚を切り出された

離婚したくないのに、相手の要望に流されて即座に離婚条件を話し始めると、「もう離婚は既定路線なんだ」と相手に思わせてしまいます。そこであえて協議そのものを避け、「急いで離婚に踏み切る気持ちはない」というメッセージを伝える手があります。

  • 離婚に向けた具体的な条件(慰謝料や親権など)をすぐに決めない
  • 追い詰められてサインしないように注意する
  • 同居を続ける余地があれば、相手が簡単に離婚届を提出しにくい状況をつくる

離婚届に署名や捺印をしてしまうと、後から「強引に書かされた」と主張しても通用しないケースが多いです。相手からしつこく迫られても、冷静さを保ちながら「一度落ち着いて考えたい」という姿勢を明確にしておきましょう。

②手紙を書いて渡す

自分の非を自覚する

直接話すとお互いに感情的になりがちな場合、手紙という形で思いを伝えるのも有効です。

書き方のポイントは「誤解やトラブルを招きにくい表現を使う」「相手が冷静に読み返せるようにする」こと。謝罪だけではなく、今後どう行動を改めるのかを具体的に触れておくと、相手に「本気度」が伝わりやすいです。

相手が離婚を決意するまで辛かった思いに共感を示しつつ、「どう修復したいのか」「どんな言動を変えていくのか」を丁寧に言葉にしましょう。

例文はあくまで参考ですが、書き出しとしては以下のようなものが考えられます。

  • 「離婚したいと言わせるほど苦しませてしまってごめんなさい」
  • 「あなたが日頃どれほど我慢を重ねていたのか、改めて聞かせてほしい」
  • 「同じ失敗を繰り返さないために、具体的な行動を変えていくつもりです」

書くときは長すぎず、必要なポイントを簡潔にまとめるのが大切です。

手紙は後々の調停でも証拠になり得るので、暴言や責任転嫁は避け、誠実な姿勢を示すことが重要です。

③話し合いで離婚についての結論を先延ばしにする

妻の気持ちがわからない

夫や妻が「離婚したい」という気持ちを強く持っていると、つい「離婚なんてしないで」と説得を急ぎがちです。しかし、あまりに説得の姿勢を強調すると、相手は「自分の気持ちを無視されている」と感じていっそう心を閉ざす場合があります。

  • 相手が離婚に至るまで我慢していた経緯を丁寧に聞く
  • 結論ばかりを急がず、「まだ話し合えている」という状況を作る
  • 相手の意見を否定するのではなく、思いの丈を吐き出してもらう

結論の先延ばしには、対立を激化させずに関係を修復していく猶予を作る効果があります。まずは急かさず、相手の本音に耳を傾けましょう。

④離婚届不受理申出書を提出する

妻から離婚を切り出された

離婚届を勝手に提出されそうな状況では、市区町村役場に「離婚届不受理申出書」を提出し、一方的な離婚成立を食い止めることができます。ただし、この手段を相手に知られると「そこまでするのか」と逆効果になり、敵対心を煽るリスクもあるため、使いどころが難しい奥の手です。

  • 相手との関係が完全に決裂している場合の最終手段
  • 提出の事実を知られると怒りを買い、状況悪化の恐れもある
  • 提出は市区町村役場で可能だが、タイミングや使い方を慎重に見極める

どうしても離婚届を出される危険が高いときに限って選択肢に加えるとよいでしょう。

⑤夫・妻の親に仲裁を頼む

夫婦問題が悪化した

夫婦二人の話し合いが極端に進まないときは、相手の親に助けを求める方法もあります。親は子どもの気持ちに寄り添いながらも、離婚に踏み切る前に「もう一度考えてみてはどうか」と説得してくれる可能性もあるでしょう。

とはいえ、親が出てくると余計に拗れたり、「もう私の親まで巻き込むのか」と相手を怒らせる可能性もあります。親との仲が悪い、あるいは相手が親との確執を抱えている場合は慎重な姿勢を取ってください。

離婚したくないのに離婚を切り出された場合のケース別対処法

夫婦の不仲

離婚したいと言われる背景は夫婦によって様々です。大枠ではあっても、相手の性格や置かれた状況、過去の経緯を無視すると、さらに状況を悪化させてしまうこともあります。以下に代表的なケースと対処の要点をまとめました。

離婚を切り出される理由は夫婦によって異なります。相手の状況や心理を無視した対応は、かえって離婚を早めてしまうこともあります。ここでは代表的なケース別に、離婚したくない側が取るべき対処法を解説します。

① 夫婦喧嘩や性格の不一致が原因の場合

  • LINEやメールでの離婚話は避ける
  • 一定期間距離を置き、感情が落ち着いてから話し合う
  • 正論で論破しようとせず、相手のストレスを理解する姿勢を示す

② 夫・妻の浮気が原因で離婚したいと言われた場合

  • 追及や詮索をしない
  • 浮気相手の存在を決めつけない
  • 親や友人に相談しない
  • 可能であれば同居を維持する

③ 自分の不倫が原因で離婚を求められた場合

  • 嘘や言い訳をしない
  • 再発防止策を具体的に示す
  • 追い出されそうでも、できる限り同居を維持する努力をする

④ 無視され、LINEで離婚を切り出された場合

  • 無理に説得しない
  • メッセージの連投を避ける
  • 相手が話す余地を残す

⑤ 別居中で弁護士や調停の通知が届いた場合

  • 弁護士からの連絡を無視しない
  • 感情的な直接交渉を避ける
  • 親族や友人に勝手に連絡しない

⑥ 家庭内別居が続いている場合

  • あいさつなど最低限の接触は継続する
  • 完全な無関心状態を避ける

⑦ 妊娠中に妻から離婚を切り出された場合

  • ホルモンバランスや不安定な心理を理解する
  • 責任論ではなく、安心感を与える行動を優先する

⑧ 結婚1年未満で離婚を切り出された場合

  • 性格や生活リズムの不一致を前提に考える
  • 議論で追い詰めない
  • 距離を取りつつ、連絡を断たない

どのケースでも共通するのは、感情をぶつけず「なぜ今、離婚したいのか」を改善しようとする姿勢を見せることです。

離婚したくないのに話し合いが進まず無視が続いている場合の対処法

冷めた夫婦

話し合いを求めても応じてもらえず、別居や無視が続いている状況は、精神的にも非常に辛いものです。しかし、この段階で多くの人がやってしまう行動こそが、離婚を決定的なものにしてしまう原因になっています。離婚したくないのであれば、まずは「今は話し合いの段階ではない」という現実を正しく受け止める必要があります。

相手が話し合いを拒否している理由の多くは、感情が限界に達している、これ以上話すと責められると感じている、結論を迫られることへの恐怖などです。この状態で説得や説明を重ねても、相手は防御的になり、ますます距離を取ろうとします。離婚したくない場合に最初に取るべき対応は、「話し合いを進めること」ではなく、「これ以上関係を悪化させないこと」です。

別居中であっても、完全に連絡を断つ必要はありません。ただし、離婚の話題や感情的な訴えは避け、事務的・必要最低限のやり取りに留めることが重要です。連絡の頻度を抑え、相手にとって負担にならない距離感を保つことで、「少なくとも拒絶し続ける必要はない」と感じてもらえる余地が生まれます。

また、離婚したくない気持ちを行動で示そうとして、謝罪や反省を過剰に繰り返す人もいますが、これも逆効果になることがあります。相手からすると、「また同じことを繰り返されるのではないか」「結局自分の気持ちは理解されていない」と受け取られてしまうからです。重要なのは、自分の正しさを主張することでも、許しを乞うことでもなく、相手の感情が落ち着く時間を尊重する姿勢です。

別居中にやるべきことは、相手を変えようとする努力ではなく、自分自身の行動や在り方を見直すことです。生活態度、コミュニケーションの取り方、これまで相手が我慢してきた点を冷静に振り返り、「離婚したくない理由」が依存や不安だけになっていないかを整理することが、結果的に関係修復の可能性を高めます。

話し合いが進まず別居が続いている場合でも、時間を味方につけることで状況が変わるケースは少なくありません。離婚したくないのであれば、焦って結論を出そうとせず、相手が再び向き合える心理状態になるまで、適切な距離と落ち着いた対応を積み重ねることが、離婚回避への最短ルートになります。

別居中に絶対やってはいけない行動

別居中で話し合いが進まない状況において、「離婚したくない」という気持ちが強いほど、無意識のうちに逆効果な行動を取ってしまう人は少なくありません。しかし、以下の行動は相手の離婚意思を固めてしまう典型例であり、関係修復の可能性を大きく下げてしまいます。

まず避けるべきなのが、感情的な連絡の連投です。LINEやメールで自分の不安や不満、反省の言葉を何通も送り続けると、相手は「追い詰められている」「距離を取らなければならない」と感じ、心理的なシャッターを完全に閉ざしてしまいます。離婚したくないのであれば、連絡は少ないほどよい場面があることを理解する必要があります。

次に、親族や友人を巻き込んで説得しようとする行動も危険です。本人の了承なく第三者が介入すると、相手は裏切られた気持ちになり、「もう修復は無理だ」という結論に傾きやすくなります。善意であっても、相手の信頼を失う結果になりかねません。

また、浮気や不倫を決めつける発言、証拠のない追及も絶対に避けるべきです。別居中は相手の生活が見えない分、不安が膨らみやすいですが、決めつけは防衛反応を強めるだけで、話し合いの糸口を完全に断ってしまいます。

さらに、「必ず変わる」「もう二度としない」といった現実味のない約束を繰り返すことも逆効果です。相手からすると、その言葉自体がこれまで守られてこなかった可能性が高く、むしろ不信感を強めてしまいます。

別居中に保つべき距離感の正解

離婚したくない場合、別居中の距離感は「近づきすぎず、離れすぎない」ことが重要です。完全に連絡を断ってしまうと関係が自然消滅してしまう恐れがありますが、頻繁な接触は相手にとって強いストレスになります。

正しい距離感とは、生活上どうしても必要な連絡や、相手の負担にならない簡潔なやり取りに限定することです。内容も、離婚や将来の話題には触れず、事務的で落ち着いたものを心がけます。これにより、相手は「この人となら冷静にやり取りができる」と感じやすくなります。

また、相手から反応が薄い時期に無理に距離を縮めようとせず、沈黙の時間を受け入れることも大切です。別居中の沈黙は拒絶ではなく、感情を整理するための時間である場合も多く、ここで踏みとどまれるかどうかが、離婚回避の分かれ道になります。

離婚したくないのであれば、距離を詰めることよりも、相手が安心して戻れる余白を残すことを優先してください。この距離感を保てたとき、初めて話し合いを再開できる土台が整っていきます。

離婚したくない時にやってはいけない逆効果な行動

別居中の夫の心理は離婚したい

焦るあまり、相手に対して誤ったアクションをとると、離婚回避の可能性は一気に下がってしまいます。

以下のような行為は特に避けてください。

  • 「なぜそんな馬鹿げたことを言うの?」など、相手を否定・侮辱する言い方
  • しつこくLINEやメールを連投し、返信を執拗に求める
  • 一方的に親族や友人を巻き込み、相手を追い詰める
  • 相手を浮気だと決め付け、証拠もないまま問い詰める
  • 「絶対直すから」「何でもする」など、現実味のない約束を乱発する

前向きな修復のためには、「まず相手が話をしたいと思える雰囲気」を作ることこそが大事です。相手が拒否反応を示す行動はかえって離婚への道を早めてしまいます。

自分に落ち度があるケースでの注意点

浮気をした夫を問い詰める

もし「自分の浮気や不倫がバレた」「モラハラや暴言、家事放棄などで相手を長年傷つけてきた」という自覚がある場合は、単なる謝罪だけでは信頼を回復できません。

  • 相手がどれほどの痛みを感じていたかを、具体的に理解しようとする
  • 再発防止策を示し、今後どう振る舞うかを共有する
  • 簡単に「もう大丈夫」「何でもする」と約束しない
  • 時間をかけ、傷ついた相手をケアし続ける姿勢を見せる

相手は「どうせまた裏切るのでは」と警戒しています。軽々しい言葉ほど不信感を募らせるので、無理のない範囲で、着実に実行可能なことから行動に移して示すのが得策です。

心理カウンセラーに相談

「どう行動すればいいかわからず限界」「何度も話し合いを試みたが、相手が応じてくれない」などの悩みを抱えているなら、ぜひご相談ください。

離婚を切り出した夫・妻の今の心理がわかる

離婚を切り出した夫・妻の性格や夫婦関係の状態でも対応が異なるため、最初に夫・妻の今の心理、離婚を決意した本当の理由、結婚観・対人関係・性格傾向に関する分析を行い、あなたの状況に合わせた今やるべき対応を具体的に提示いたします。

よくある質問

夫婦喧嘩が離婚の原因
離婚したくないのに話し合いを拒否されています。まだ間に合いますか?
状況によりますが、話し合いを拒否されている段階でも離婚が確定したわけではありません。無理に説得や感情的な接触を続けると逆効果になるため、距離の取り方や伝え方を変えることで関係修復の可能性が残るケースもあります。
別居や無視が続いている場合、離婚は避けられないのでしょうか?
別居や無視が続いていても、直ちに離婚が成立するわけではありません。対応を誤ると離婚が加速しますが、冷却期間の使い方や主導権の取り戻し方次第で状況が改善する余地はあります。
話し合いが進まず別居中でも、どうしても離婚したくない場合はどうすればいいですか?
別居中で話し合いが進まない場合、焦って説得や連絡を重ねると、相手の拒否感情を強めてしまうことがあります。離婚したくないなら、まずは感情的な対立を避け、一定の距離を保ちながら関係修復の余地を残すことが重要です。手紙や第三者(調停・心理カウンセラー)を活用し、直接対話が難しい状況でも気持ちを伝える工夫をしましょう。
離婚したくない場合の「奥の手」とは何を指しますか?
奥の手とは、感情的な説得ではなく、相手の判断を急がせず結論を先延ばしにしながら関係修復の可能性を残すための最終手段です。状況により、接触方法の見直しや法的手続きの活用も含まれます。
離婚したくない時にやってはいけない行動は何ですか?
感情的な責め立て、執拗な連絡、条件交渉の早期提示などは逆効果です。相手の離婚意思を強めてしまう行動を避け、冷静な対応を取ることが重要です。
離婚届不受理申出書は奥の手として有効ですか?
有効な場合もありますが、使い方を誤ると関係悪化を招きます。時間を確保する目的で使うのが基本で、感情的な対抗手段として使うべきではありません。
調停に進んだらもう復縁や関係修復は無理ですか?
調停に進んでも関係修復の可能性が完全になくなるわけではありません。調停中の態度や主張内容によって、その後の関係性に大きな差が出ます。

調停で離婚したくない【弁護士監修】

どちらが悪い?

夫婦間の話し合いが平行線をたどり、離婚調停へと発展するケースも少なくありません。

しかし、調停に進んだからといって即座に離婚が決まるわけではなく、「話し合いの場を第三者が仲介してくれる」程度の意味合いを持ちます。

どんなに「離婚したくない」と主張したとしても、調停委員が見るのは双方の落としどころです。単に感情をぶつけるだけではなく、具体的な改善点や努力の方向を示すことが要になります。

夫婦関係等調整調停とは

家庭裁判所で行われる「夫婦関係調整調停」は、離婚そのものだけでなく、夫婦の双方が抱えるさまざまな問題を調整し、解決への糸口を探す場です。夫婦のどちらの言い分が正しいかなど有利、不利という判定をすることはありません。

調停で話し合われるのは以下のような内容です。

  • 離婚のほか、子どもの養育費や財産分与について話し合う
  • 調停委員は夫婦のいずれかに味方するわけではない
  • 話し合いの結果、不調に終わっても「離婚確定」にはならない

離婚理由について

離婚を考える理由は、「性格の不一致」から「浮気・不倫」「暴言・モラハラ」「経済的トラブル」など多岐にわたります。

共働き夫妻の増加や、価値観の多様化で、結婚後早い段階で意見の衝突が生じるパターンも珍しくありません。

  • 家事や育児の負担バランスの偏りが不満の原因になる
  • コミュニケーション不足により、お互いの心境がまったく伝わらない
  • 生活リズムのズレや趣味嗜好の違いが大きく、ストレスを感じる
  • 浮気を疑われたり実際に発覚したりして信頼関係が崩れる

こうした問題は話し合いを重ねることで解決への糸口を見つけられる場合も多いので、まずは「簡単に離婚に走らない」姿勢が重要です。

離婚の種類と法定離婚事由

離婚を回避する言葉

日本における離婚の成立方法は協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類です。

もっとも一般的なのは夫婦間で合意し役所に離婚届を出す協議離婚ですが、夫・妻のどちらかが歩み寄りを拒むときには家庭裁判所での調停に移行します。

また、裁判で離婚を認めてもらうためには民法770条が定める「法定離婚事由」にあてはまる必要があります。

代表的なものとしては、不貞行為や悪意の遺棄(生活費を入れないなど)が挙げられますが、「その他婚姻を継続し難い事由」があるかどうかも争点となります。

円満調停の申し立て

調停は怖くない

相手が離婚を強く望んでいる場合でも、あなたが関係を修復したいと考えているなら、「円満調停(夫婦関係等調整調停)」を申し立てる方法もあります。

離婚を前提に話を進めるのではなく、「関係継続」を前提に調停委員のお力を借りるのです。

  • あくまで「どうすれば夫婦としてやり直せるか」を協議するための場
  • 離婚調停と異なり、修復が絶望的かどうかを探る機会になる
  • 調停委員は中立なので、積極的に修復を試みたい意志を示せる

夫・妻が「離婚しか考えられない」と主張していても、公的な場所で話し合ってみると気持ちが多少変化する場合もあります。

もし離婚調停が不成立でも修復を望むなら

夫を怒らせない配慮が大事

調停は合意に至らないと「不成立」となり、さらに裁判離婚へ進むことがあります。ただし、調停不成立が即離婚確定というわけではなく、その後も話し合いを継続して関係再構築に成功する夫婦は存在します。

  • 裁判の長期化は相手にとっても大きな負担になる
  • そこで時間が経つうちに相手の怒りが和らぎ、離婚回避を検討するケースもある
  • 不成立後でも連絡を絶たず、状況が変わるのを粘り強く待つ

経済的にも精神的にも裁判は負担が大きいものです。相手が本気で離婚を望んでいるとしても、一連のプロセスのなかで考えが変わる可能性が残されています。

離婚したくない場合の奥の手のまとめ

妻が離婚を決意した理由

「離婚したくない」という強い思いがあるなら、まずはあなたが相手の気持ちを理解しようと努めることが必須です。以下のプロセスを見失わないようにしましょう。

  • いきなり結論を急がないで、相手の言い分を受け止める
  • 手紙を書くなど感情的対立を避けられる手段を検討する
  • どうしても一方的に離婚届を出されそうなら不受理申出書を利用
  • 必要に応じて相手の親や第三者機関(調停委員、カウンセラー)に依頼する
  • あなたが変わるための行動を具体的に示す

一度離婚を迫られても、時間をかけて修復に取り組むことで再出発を決めた夫婦も数多く存在します。短期間で白黒つけようとするより、相手を理解する努力を継続するのが離婚回避への大きなカギとなるでしょう。

「もう手遅れ」と思い込まないことが離婚したくない人の第一歩

相手から離婚を言い出された瞬間に、「もう何をしても無理だ」「離婚したくないと思っているのは自分だけだ」と諦めてしまう人は少なくありません。しかし、夫や妻が離婚を決意するまでには、必ず積み重なった理由や感情の経緯があります。それを見極め、傷ついた相手の心情に真正面から向き合おうとする行動が取れれば、相手の態度が変化する可能性は十分にあります。

離婚したくない状況でも、相手の言葉を途中で遮らず最後まで聞くことで、「この人ならまだ話せるかもしれない」と感じてもらえることがあります。また、抽象的な反省ではなく、具体的な改善策や行動の変化を示すことで、「本気で変わろうとしている」と受け取ってもらえる可能性も高まります。関係が冷え込んでいる時期ほど、一つひとつの言動は強く印象に残るため、焦らず慎重な対応が求められます。

夫婦はもともと、結婚を選ぶだけのご縁や愛情、相手の良い部分を認め合える関係だったはずです。その原点を思い出し、もう一度つながりを築き直そうとする姿勢こそが、「離婚したくない」という思いを現実に近づける力になります。

離婚したくない人ほど一人で抱え込まず相談するという選択

夫婦喧嘩を繰り返す理由を知る

離婚の悩みは非常にデリケートで、人に話しにくく、表面化しづらい問題です。特に相手が話し合いに応じてくれない場合、「もう何をしても変わらないのではないか」と精神的に追い詰められてしまうこともあるでしょう。

真夜中や休日など、誰にも相談できない時間帯ほど不安は増幅しやすく、問題が深刻化してから専門家を探そうとしても、焦りから冷静な判断ができなくなるケースも少なくありません。一方で、悩みを聞いてもらうだけでも気持ちが整理され、次に取るべき行動が見えやすくなることがあります。

ここまで読み進めている方は、「それでも離婚したくない」という強い意志を持ち、何とかして夫婦関係を修復する方法を探しているはずです。

諦める前に、次の点を改めて胸に刻んでください。

・感情的に対立を深める行動は、離婚したくない状況では逆効果になる

・相手の本音を知るために、あえて歩み寄る姿勢を持ち続けることが重要

・離婚届の不受理申出書など、法的に離婚を止める奥の手も存在する

・調停や円満調停など、第三者を交えた話し合いという選択肢もある

・専門家に相談することで、冷静かつ現実的なサポートを受けられる

相手から「もう無理だ」と言われていたとしても、人の気持ちは時間や出来事をきっかけに変わることがあります。

あなたが真摯に向き合い続けることで、相手のわだかまりが少しずつ溶け、再び離婚回避の可能性を感じ始めるケースも決して珍しくありません。

心理カウンセラーや弁護士事務所は守秘義務を徹底しており、相談内容や個人情報が外部に漏れることはありません。安心して状況を相談できる場を活用することも、「離婚したくない」という思いを守るための大切な一歩です。

裁判所:令和3年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別より

記事監修弁護士
梅澤康二 弁護士

【記事監修】弁護士法人プラム綜合法律事務所・梅澤康二弁護士

離婚問題に関する法律相談の見解については弁護士が答える離婚問題に直面した時の法律の知識に関するQ&Aのページの記事を参考にして下さい。

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この記事の著者プロフィール
復縁専科運営事務局・横山美咲
復縁専科運営事務局・横山美咲

横山美咲(よこやまみさき) 1991年生まれ。血液型A型。金城学院大学・大学院(人間科学部心理学科)で心理学を履修。専門分野は行動心理学・社会心理学・人格心理学。2016年より復縁専科で夫婦カウンセラーとして勤務。夫婦問題の解決や恋愛相談など男女の愛情についてのアドバイスを得意としています。 心理カウンセラー・日本心理学会認定・認定心理士